コラム『私の思い』

四耐四不(したいしふ)

2023.2.15

■2023.2.15(水)■

トヨタ自動車名誉会長の豊田章一郎氏がお亡くなりになりました。

申し上げるまでもなく、幾多の困難を乗り越え、トヨタさんを世界的企業に成長させた偉人であられます。

心よりご冥福をお祈り申し上げます。

訃報を伝える朝刊の中に、清朝の曽国藩の教え「四耐四不(したいしふ)」を座右の銘とされていたとの記事がありました。以下の心得を持てば、大きな事を成せるとの意味だそうです。

四耐

耐冷(冷に耐え-孤独や周囲の冷たさに耐え)

耐苦(苦に耐え-苦しさに耐え)

耐煩(煩に耐え-忙しさ、わずらわしさの連続に耐え)

耐閑(閑に耐え-閑職に追われた場合もそれに耐え)

四不

不激(激せず-つまらないことに腹を立てず)

不躁(躁がす:さわがず-うまくいったからといって、はしゃがず)

不競(競わず-無駄な喧嘩をせず)

不随(随わず:したがわず-何でも言いなりにならず)

私はこれまで、誰かの言葉を座右の銘とする事はありませんでしたが、この教えには感銘を受けました。

人はともすれば、周囲の環境や他人の言動・行動に惑わされがちですが、四耐四不の精神を持ち、どっしり構えて、慌てず騒がず事にあたる人間になりたいと、改めて思いました。

とはいえ、言うは易く行うは難しですので、引き続きの精神修養、胆力の醸成に努めます。

See You Again

2023.1.29

■2023.1.29(日)■

高橋幸宏さんの最後に所属した音楽ユニット「METAFIVE」の楽曲に、「See You Again」という歌があります。

闘病中の幸宏さんが退院後も歌う事を想定して作られたとの事ですが、結果的に幸宏さんの最後の歌声となりました。

幸宏さんのみならず、コロナ禍と闘う人々を励ますかのような歌詞が心にしみます。

 

朝が来ればいいさ そして歩き出す

それが何処だろうと信じて行こう

生きるって嬉しいな 生きるって悲しいな

一人きり夢を追い続けてる

I’ll see you again 雨が止んだ頃に

Playing to the end 日が沈むまで

I’ll see you again 闇が明ける時

So we take the pain また晴れるまで

怒りたけりゃいいさ 泣きたくてもいいさ

僕たちは夢を見続けられる

少し騒がしいな 何か忙しいな

誰もいないのに言葉は響く

I’ll see you again 風も去った頃に

On a new terrain 波の果てまで

I’ll see you again 光が差す時

Still around the bend また会えるまで

街をくぐり抜けて 運命(さだめ)を飛び越えて

蓮の花に乗って またね またね その流れで

I’ll see you again 雨が止んだ頃に

Playing to the end 日が沈むまで

I’ll see you again 闇が明ける時

So we take the pain また晴れるまで

Hey, I’ll see you again and again and again and again

Yeah, I’ll see you again and again and again and again my friend

And again and again and again and again and again

And again and again and again and again and begin again

 

また会おうとの願いはかないませんでしたが、素晴らしい作品を残して頂き、ありがとうございました。

私の「幸宏さんロス」の感傷は、しばらく治らないようです。

人生は一冊の本

2023.1.21

■2023.1.21(土)■

高橋幸宏さん逝去の報道後、闘病中の坂本龍一さんがSNSにグレー一色の画像をアップされましたが、沈黙を保っていた細野晴臣さんも、以下のコメントを出されました。

「人の人生は一冊の本のようだ。いま『高橋幸宏』という本を読み終え、多くのファンがあとがきを書こうとしている。物語は終わったが本は消えず、ずっとそこにある。幸宏の死は世界に反響を及ぼした。彼が海外のミュージシャンに与えた影響の大きさを今更ながら知り、高橋幸宏が実は大スターであることが判明した。」

盟友を偲び称えるコメントは、強く心に響きました。

そして、国内外の多くの人に影響を与えた幸宏さんの偉大さを、改めて感じました。

訃報の後、彼の作品やインタビューを改めて見聞きしていますが、楽曲は勿論、上品な立ち姿、温かな雰囲気と穏やかな声、生き方 etc. その全てが「かっこいい」としか言いようがありません。

10代から40年以上追い続けてきた幸宏さん、本当にありがとうございました。

R.I.P 安らかにお眠りください。

敬愛する高橋幸宏さんが逝去されました。

2023.1.15

■2023.1.15(日)■

今朝、元YMOの高橋幸宏さんが70才で逝去された事を報道で知りました。各界の著名人や活動をともにしたアーティストらから、追悼の声が続々と上がっています。

闘病からの復帰を願っていた私は、大変ショックを受けました。

中学生の時、YMOの代表曲「Technopolis」を聞いて衝撃を受け、彼らの曲を聴きまくりました。その中で、幸宏さんの歌声やドラム、特にスネアの音が私の耳にはとても心地よく、大ファンになりました。

幸宏さんが作ったYMOの楽曲(「Rydeen」「Cue」etc.)は勿論、「散開」後のソロの楽曲(「蜉蝣」「前兆」「WALKING TO THE BEAT」「MY BRIGHT TOMORROW」「DRIP DRY EYES」etc.)は、今でもウォーキングやランニング時によく聞いています。

当時、ラジオ番組「オールナイトニッポン」のパーソナリティも務めておられ、三宅裕司さんをはじめとするSETのメンバーとのコント、曲作りやレコーディングの裏話などを楽しく、興味深く聞いた事を覚えています。

また、幸宏さんの繊細ながらも芯の強い人柄やファッションも大好きで、こんな大人になりたいと憧れました。

本稿を書きながら、幸宏さんがバート・バカラックの名曲をカバーした「The April Fools」を思い出しました。真実の愛をついに見つけたが、これはエイプリルフールの夢ではないかと自問自答する、美しくもはかない歌です。ライブやオールナイトニッポンのエンディングにも使われた名曲で、幸宏さんとの惜別にふさわしいと感じました。歌詞をご紹介します。

In an April dream
Once she came to me
When you smiled I looked into your eyes
And I knew I’d be loving you and
Then you touched my hand
And I learned April dreams can come true

Are we just April fools
Who can’t see all the danger around us
If we’re just April fools
I don’t care, true love has found us now

Little did we know
Where the road would lead
Here we are a million miles away from the past
Travelin’ so fast now
There’s no turning back
If our sweet April dream doesn’t last

Are we just April fools
Who can’t see all the danger around us
If we’re just April fools
I don’t care, we’ll find our way somehow
No need to be afraid
True love has found us now

幸宏さんの楽曲は永遠に残ります。私はずっと聞き続けます。

幸宏さん、私の人生を潤して頂き本当にありがとうございました。

心よりご冥福をお祈り申し上げます。

クリスマスに願う事

2022.12.25

■2022.12.25(日)■

寒いクリスマスとなりましたが、皆様いかがお過ごしでしょうか。

街のそこかしこで、今年も様々なクリスマスソングを聞く事ができました。

私の好きな曲は

邦楽:山下達郎「クリスマス・イブ」

洋楽:Wham!「Last Christmas」

2曲とも言わずと知れた名曲ですが、歌詞は以外にも切ない内容で、Last Christmasは、フラれた男性の未練と強がりが歌われています。

しかしながら、本当に美しいメロディーだと思います。

クリスマスを祝うには、平和な社会である事が大前提ですが、ウクライナでは依然として砲撃が続いているとの事です。

報道を聞き、ジョン・レノンの「Happy Xmas(War is over)」の最後の一節が脳裏をよぎりました。

「 War is over  if you want it, war is over now. Happy Christmas !  」

両国の歴史的背景、価値観や考えの相違を、私達が真に理解する事は難しいですが、一刻も早い収束を心から願います。

野田元首相の追悼演説~人として、日本人として、政治家として。

2022.10.26

■2022.10.26(水)■

昨日の国会で野田元首相が行った安倍元首相への追悼演説は、人々の心の琴線に触れ、賛美の声があふれています。

・国益の為、私利私欲を捨て、政治生命をかけて議論を尽くすこと。

・政治信条は異なっても、相手への敬意を持ち、モラルやマナーを守り、建設的に議論すること。

・政争の場を離れた場面では、相手をいたわり思いやる気持ちを忘れないこと。

・安倍元首相の「光と影」にも触れていること。

国民、政治家、官僚ら全ての人々に響く言葉選び、文脈づくり、説得力。

政治家としての鋭い感性と、凄みをお持ちだと思いました。

おおいに刺激を頂きました。

私も引き続き精進していきたいと思います。

30年前の歌「悪いひとたち」

2022.10.12

■2022.10.12(水)■

「悪いひとたち」という歌があります。

日本のロックバンド「ブランキー・ジェット・シティ」が、30年前にリリースした、約10分の長い楽曲です。バンドは2000年に解散してしまいましたが、今でも世界最高の3ピースバンドだと思っています。

私は1990年頃に放送された「三宅裕司のいかすバンド天国(通称イカ天)」で、彼らを初めて見て衝撃を受けました。

どのバンドとも異なる強烈な個性とメッセージ、動と静、剛と柔、光と影、悪と善、醜と美の対比。ハードすぎる外見はさておき、彼らが創り出す唯一無二の曲に夢中になりました。

数ある名曲の中から選んだこの曲は、戦争や紛争について歌われています。30年後の今を見通していたかのような歌詞は、一遍の映画を見ているようで、ブランキーにしか創り出せない世界観に魅了されます。

争いが「人類の業」であるならば、悲劇を少しでも、少しづつでも減らすにはどうすればよいのか、考えさせられます。

過激な言葉も含まれますので、万人にお勧めはできませんが、きれいごとでは済まない現実に対する彼らのメッセージを、各人が感じとって頂ければと思います。

お別れに思う事

2022.9.18

■2022.9.18(日)■

昨日、お世話になった方が50代の若さで逝去されました。

ご家族のご心痛を思うと言葉もありません。

闘病中にお会いした際も、泰然としておられた事が強く印象に残っています。

身近な方がお亡くなりになると、自分の死生観について考えます。

その答えを出す事はまだ難しいですが、最期の時まで、一つでも多く誰かの、何かの役に立っていたいと、今は思います。

ご冥福を心よりお祈り申し上げます。

時代遅れのRock’n’Roll Band

2022.6.19

■2022.6.19(日)■

桑田佳祐氏が中心となり、同い年の佐野元春、世良公則、Char、野口五郎各氏が参加した楽曲「時代遅れのRock’n’Roll Band」がリリースされ、注目を集めています。

昨今の世界の政情不安を憂い、平和を望むメッセージソングです。

私が好きなミュージシャンが集結した作品ですので、何度も再生して聞いています。

その歌詞の中に

「子供の命を全力で大人が守ること それが自由という名の誇りさ」

との一節があります。心が洗われるようなフレーズです。

この思いをロックで表現しようと考えつく、桑田佳祐氏の感性の鋭さを改めて感じました。

珠玉の名作の数々を創り出すプロの感性、仕事だと思いました。

皆さんも一度聞いてみてくださいね。

尾崎豊氏その2

2022.6.19

■2022.6.19(日)■

尾崎氏の楽曲で、私が好きな曲を追加でご紹介します。

・路上のルール

昔、ドライブでよくかけた曲です。疾走感にあふれ、日常から解き放たれる感覚がとても好きです。

・街の風景

街の様々なシーンを自分のフィルターを通し、心象風景に置き換えています。

「人生はキャンバスさ、人生は五線紙さ、人生は時を演じる舞台さ」

「無限の色をちりばめた街の風景」

美しく、心に響く歌詞です。

・太陽の破片

薬物に手を染めてしまった後にリリースした曲で、夜のヒットスタジオで披露された際のパフォーマンスは、伝説となっています。観念的な歌詞が連なっていますが、当時の彼の心境を映す作品として見事に昇華されています。このような曲は彼しか書けないでしょう。

・オーディション時の弾き語り

彼がソニーのオーディションを受けた際に、アコースティックギターの弾き語りで歌った「ダンスホール」「もうお前しか見えない」を、某動画サイトで初めて見た時は衝撃でした。わずか16歳ですでに完成された歌声と独自の世界観。審査員各位はさぞ驚いたと思います。百聞は一見に如かず、皆さんも一度ご覧ください。友人の結婚式でピアノの弾き語りをしている動画もおすすめです。

 

類まれな才能が、わずか26才で早世された事は本当に残念ですが、楽曲は永遠に残ります。

私はおそらく、一生聴き続けると思います。